木部に関するご質問
木部に関するご質問
Q1 ニスとワニスとは、どう違いますか?
昔はセラックをアルコールに溶かしたものを「ニス」と呼んでいました。
その後天然樹脂と油を反応させた油ワニス(総称)が出来ました。
Q2 「合成速乾ニス」と「ラッカークリヤー」は、どう違いますか?
「合成速乾ニス」はアクリル樹脂やアルキド樹脂で変性した「ラッカー」の一種です。
補足
「合成速乾ニス」は「ラッカークリヤー」に比べて肉付きがやや厚い特長があります。
Q3 水性ニスを机に塗ったが、本を乗せたらくっついてしまったのですが?
エマルション樹脂の特性による粘着性が原因と思われます。
補足
「水性ニス」は、水で洗えるなど便利で、一般工作用に広く使われています。
しかし、エマルション塗料の性質から、多少の粘着性が残る欠点があります。
テーブルの上面や棚など物の置かれるところの塗装は、極カ避けて下さい。
Q4 ワックスが塗ってあるものを塗り替えるとき、塗料が付着しない。どうしたらよいでしようか?
まず、ワックスを除去する必要があります。
補足
初めに住居用洗剤を水で適度にうすめ全体をよくふきます。さらに「ペイントうすめ液」で2〜3回ふき、乾いてからサンドペーパー(#240)で研磨します。さらに「ペイントうすめ液」で1〜2回ふき、目立たない部分で塗料を試し塗りし、異常のないことを確かめてから塗装してください。
なお、シリコン系ワックスを使用したものは、上記の処理をしてもワックスが残り、塗料がはがれるので塗り替えはできません。
Q5 木製の床を塗り替えたが、紙のようにはがれてしまった。どうしてですか?
フローリング材に施されているUV加工が原因です。
最近の木質系フローリング材は、紫外線照射による高硬度加工(UV加工)が施されているものが多く、その上に塗装しても塗料が密着しない為です。
補足
最近の木質系フローリング材は、紫外線照射による高硬度加工(UV加工)が施されているものが多く、その上に塗装しても塗料が密着しません。
塗料を密着させるには、サンドペーパーやサンダーで床表面を荒らし、塗料の足掛かりを造る必要があります。
Q6 ニスを塗っても塗り見本のように仕上がらないのですが?
塗る前に木地をサンドペーパーでよく研磨してください。
補足
木材にそのままニス塗りすると、なめらかな木地にみえても、細かなケバ立ちを生じるので、ザラついた仕上げになることがあります。また、逆目部分は塗料を吸い込み、色が違って見えます。
塗る前に木地をサンドペーパー(#280程度)でよく研磨し、ケバをとり除いて滑らかな面を造ってください。
Q7 セラックニスでヤニ止めし、着色ニスを塗ったら色ムラができた。正しいはずなのになぜ?
セラックニスを塗った部分と塗っていない部分に色ムラができたためです。
セラックニスによるヤニ止めはヤニ止めでは有効ですが、着色ニスを全体に塗るときセラックニスを塗っていない部分との色ムラができやすいためです。
補足
セラックニスによるヤニ止めは、普通節目の部分を拾い塗りするように教えられます。
この方法はヤニ止めには有効ですが、その上から着色ニスを全体に塗ると、セラックニスを塗った部分と塗っていない部分に色ムラができやすくなります。全体にセラックニスを塗ってから、着色ニスで仕上げて下さい。
注意
松ヤニの吹き出た部分は、セラックニスを塗るだけではなかなか止まりません。松ヤニをうすめ液でよく拭き取り、セラックニスを塗ると効果があります。
Q8 ラワン材にニスを塗ると泡ができるが、対策はありませんか?
サンドペーパー(#180〜#240)で表面を滑らかにし、ニスをうすめ液で多目にうすめ、あらかじめ木地に浸透させてください。
補足
木材には導管があり、ラワン材は特に導管が太いので、木地の表面がザラついています。
ニスを塗ると、導管のザラ付きのため空気を含んで泡が立ちやすくなりますので、右の方法で処理しよく乾かしてから、仕上げ塗りをしてください。
Q9 クレオソートと木部防虫防腐剤と、どうちがうのですか?
クレオソート
石炭を乾溜してコークスや都市ガスを作るときに得られる、沸点210度〜250度の、いわゆるタ一ル溜出物で古くは電柱や鉄道の枕木などの防腐、防虫に使用されていました。フェノール成分などが含まれ、臭いも強く、上に塗料を塗ると乾燥しなくなる欠点があります。
木材の防虫防腐剤
初めに、溶剤に防虫・防腐剤をとかしたタイプのものが開発されました。その後、アルキド樹脂系塗料に薬剤による防虫・防腐機能を付加したもの、さらに撥水剤が加わったものなど、次第に種類が増えています。色調も豊富になり、機能も向上してきました。
現在は環境保護、人体ヘの影響等から、防蟻(シロアリなど)の本格的な対策に薬剤を使用しない塗料が主流となっています。