鉄部に関するご質問
鉄部に関するご質問
Q1 トタン用の塗料は、他の建物用などとどこが違うのですか?
トタン用塗料は、数多くの樹脂・顔料を組み合わせた品質設計の中から、選び抜かれた品質をもって構成されている特殊塗料です。
補足
元来、トタン(亜鉛鉄板)は亜鉛メッキの地肌のまま屋根に施工されていました。
普通の合成樹脂調合ペイントでは亜鉛と塗膜の油分が反応して、亜鉛と塗膜の間に金属石鹸ができるため、はがれやすくなります。(アルミ、銅などの金属も同様な傾向があるので、それぞれに適した塗料を選ぶ必要があります。)
トタン用塗料は、金属石鹸の生成を抑制し、亜鉛に密着がよいことが最大の条件でした。
現在では、亜鉛メッキの上に焼き付け塗装されたカラートタンとなっているので、カラートタン面と亜鉛面のいずれにも密着のよい塗料として設計されています。また、夏の暑い直射日光、冬の厳寒に耐えられる塗膜性能も持っています。
なおトタン用塗料は、一般の塗料と同様に一般鉄部の仕上げにも最適です。
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Q2 トタン用塗料に種類がありますが、どう違うのですか?
トタン用塗料には、4種類があり、その特長は、次の通りです。
補足
トタン用塗料 | 乾燥時間 | 塗り易さ | 耐水対候性 | ツヤびけ | 光沢保持 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
油性 | 1 | フタル酸樹脂系 | 約4〜8時間 | ◎ | ○ | ややある | ○ |
2 | アクリル樹脂系 | 約4時間 | ○ | ◎ | 少ない | ◎ | |
3 | シリコン アクリル樹脂系 |
約6時間 | ○ | ◎ | 少ない | ◎ | |
水性 | 4 | アクリル樹脂系 エマルション |
約2時間 | ◎ | ◎ | 少ない | ◎ |
(注)ツヤびけは乾燥途中で結露した場合。耐水耐候性は水や天候に対する強さ。
光沢保持は塗膜光沢の経年変化が比較的大きい○小さい◎を指す。
油牲1、2、3、はペイントうすめ液使用。水性4は水でうすめる。
Q3 コールタールを塗ったトタンを塗り替えるときの注意は?
塗料中の溶剤で溶け出したコールタールが、塗膜の中に滲み出しまだら模様になる可能性があるので、シルバーペイントを塗ってから トタン塗料を塗っていただくとこの現象を防げます。
補足
シルバーぺイントは、鱗片状のアルミの顔料が鎧のごとく塗膜中に重なり合って幾重にも並び、 バリヤーを造りますので、コールタールの滲みを止めるのにとても効果があります。
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Q4 部分的に錆びているトタンを塗装する場合、どんな「さび止め塗料」を塗ったらよいのですか?
ー般の「さび止め塗料」も塗ることができますが、金属石鹸ができてはがれやすくなる可能性があります。弊社の「トタン専用さび止め」をご利用ください。
補足
金属石鹸の生成を抑制する顔料を配合した 「トタン専用さび止め」は、サンデーペイント得意の防食技術から生まれました。
さび、汚れ、鳥の糞などをワイヤーやサンドペーパーでよく落とした上で、「トタン専用さび止め」を塗装し(錆びた所だけ部分塗りしてもOKです)、その上からご希望のトタン用塗料を広く全体に塗って下さい。耐久性のある塗膜ができます。
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Q5 トタン用塗料を「合成ボイル油」でうすめて良いでしようか?
メーカーにより見解が異なります。
補足
「合成ボイル油」は、塗料に混ぜると塗膜成分を構成します。 弊社では、本来使用している塗料の樹脂と異なる成分が混ざって塗膜を構成すると、もともとの塗料の性能を阻害することになるため、「合成ボイル油」の使用をお薦めしていません。 その点、ぺイントうすめ液は、揮発してしまい塗料の性能に影響しませんので、ぺイントうすめ液でうすめることをお薦めします。
Q6 「油性さび止め塗料」と「水性さび止め塗料」の使い分けを、どうしたらよいですか?
- 油性さび止め塗料:水性より乾燥がやや遅いが、さび落しの程度による適用範囲が広く、安定品質が得られます。
- 水性さび止め塗料:水でうすめるが鉄が錆びることなく(弱アルカリ性)、錆を防ぐ顔料も配合されていて、きわめて早く乾き(春秋約1時間乾燥)、塗りやすいので、DlYerには適しています。強いていえば、錆落しが不十分のときやや不利と言えます。錆びた部分の補修塗りや上塗りを早く塗りたいときに便利です。
補足
鉄は、空気中の酸素と水分や、亜硫酸ガス、海塩粒子などによって酸化して錆びます。
これらの悪性因子が鉄の表面に達しないように、鉄面に直接塗って防御の塗膜を造ることがさび止め塗料の役割です。
さび止め塗料は太陽光線には強くありませんので、上塗りが必要です。
Q7 エ場地域でペイントを塗るには、どのような注意が必要ですか?
錆落し前に、塗る対象物をよく水洗いし悪性因子を取り除いておくと、塗る塗料に悪影響を与えません。
その上で、さび止め塗料を充分に下地塗りし上塗りも2回以上塗り重ねると、耐久性のある仕上がりとなります。
注意
工場地域では、亜硫酸ガスなどが雨水に溶けて酸となって塗膜に付着し、さび・腐食の原因となる可能性があります。
Q8 コンクリートやモルタルに埋め込んだ鉄骨の立ち上がり部分は、何故錆やすいのですか?
コンクリートはアルカリ性で、そのアルカリがコンクリートの外に滲み出て、露出している鉄面に塗られたさび止め塗料や油性建物用など成分(油分)を分解してしまいます。
更に立ち上がり部分の差が激しいので、ほかの部分より劣化が著しくなります。
補足
コンクリートから露出している鉄の部分は、アルカリに強い「スーパー水性カラーさび止め」と「水性ウレタン建物用」などで、丁寧に仕上げるとよいでしょう。
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Q9 海岸地帯での塗装で注意することは何ですか?
通常の場合より塗装回数を増やすなど念入りに塗ってください。
補足
海岸地帯では、波浪や潮風により塩分が海塩粒子となって飛散し、その影響は海岸から数kmにも及び、金属のさび、腐食を促進すると言われています。
従って特に外部の鉄部塗装では、塗装前に水洗いで塩分をよく落としておかないと、さび、腐食が速く、ときには塗膜がはがれることもあります。