家庭用塗料Q&A
一般に関するご質問
Q1 油性塗料(溶剤でうすめる種類の塗料)の上に水性塗料を塗って大丈夫ですか?
塗る表面(油性塗膜の上)を荒せば大丈夫です。
補足
油性塗料の上に水性塗料を塗ると、密着性にやや難点が認められますので、長く経過した油性や焼き付け塗料の上に塗装する場合やツヤのある油性(溶剤型)の上に水性塗料を塗る場合は、サンドペーパー(#240程度)をかけ表面を荒らしてから塗装してください。
Q2 水性塗料の上に油性塗料は塗れますか?
水性塗料が十分に乾燥した膜になっていればその上に「油性建物用」「さび止めペイント」「トタン用」など、 普通の「ペイントうすめ液」でうすめるタイプの塗料が塗れます。
注意
「ラッカーうすめ液」を使う塗料を塗り重ねると、塗られた塗膜をとかすおそれがあります。小面積を試し塗りし、異常が生じなければ問題なく塗ることができます。
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油性塗料
スーパー油性 鉄部・建物用Q3 油性塗料の上にラッカースプレーを吹き付けたら塗料がちぢれてしまったがなぜですか?
おそらく下の油性塗料はまだ十分に乾いていなかったと思われます。
ちぢんだ塗膜を皮スキ(金属ヘラ)などで削りとって、再塗装が必要です。
Q4 うすめ液の使い方がわかりません。シンナーも同じ?
油性(溶剤でとかす種類の)塗料は石油系溶剤がうすめ液、水性(水でとかす種類)の塗料は水がうすめ液です。
石油系溶剤のうすめ液のことを、ー般にシンナー(Thinner:英語)と呼びます。
補足
石油系溶剤のうすめ液は一般市販では大きく2種類あります。
ペイントうすめ液
ミネラルスピリットなどの弱い溶剤で構成。主にアルキド樹脂系塗料などのうすめ液です。
ラッカーうすめ液
芳香属系の強い溶剤で構成。主にアクリル樹脂やラッカー系塗料のうすめ液です。
塗料の容器にはどのうすめ液を使用するかの記載がありますので、指定されたうすめ液を使用してください。
また、塗料の種類によっては専用のうすめ液を使うタイプもあります。指定された専用うすめ液を使用してください。
注意
ペイントうすめ液を、ラッカーうすめ液でうすめる塗料に使ってしまうと、塗料がプリン状にかたまり、使用不可能となります。その逆の場合、見た目には別状ないですが、溶解カが強いので色の分離傾向が起こるおそれがあるのと、重ね塗りした時下塗りを侵し、しわができます。
Q5 ガソリンや灯油で油性塗料をうすめられますか?
いずれも使わないで下さい。
補足
ガソリンは揮発が早すぎ、しかも引火しやすく極めて危険であり溶解カもペイントうすめ液よりも劣り、まったく使用できません。
灯油は揮発が遅すぎ、溶解カも劣るため、無理に使っても、溶解不良、ハケ洗い困難、乾燥の遅れ、灯油の悪臭など問題が生じます。
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Q6 水性と油性でどちらの塗料が丈夫なのですか?
塗料の特性は、塗ると塗膜となる合成樹脂の特性によって決まります。したがって、使用されている樹脂が何であるかで決まりますので、水性と油性の比較はいちがいには出来ません。
塗料の缶に、家庭用品の品質表示法にもとづく表示が印刷されており、その中に成分、樹脂の種類などが表示されています。また用途説明の部分が記述されていますので、ご判読下さい。
Q7 1回塗りと、2回塗りとでどういう違いがありますか?
一回塗りでは色ムラがでることがあります。乾いてから二度塗りすればおおむね下地の色を覆い隠します。 また、2回塗ると、1回の塗膜に生じているピンホール(目にみえない細かな穴=水の蒸発や溶剤の揮発でできる)をふさぎ、ー層完壁な塗膜となりますので、2回塗りをお薦めします。
塗る作業手順としては、塗る面に塗料を塗布し(配る)、それを自在に(通常はW字型に)広げて(広げる)、最後に縦にハケを運んで揃える(そろえる)3ステップで、1回塗りです。
1回塗り塗料が乾燥してから(塗り重ね間隔時間を経て後)、2回目の同じ作業で2回塗りとなります。
Q8 塗料の色と塗った後の塗膜の色と違うのはどうしてですか?
様々な原因が考えられます。
補足
- 2種類以上の顔料を使用している場合、顔料の比重により浮き沈みが生じて色が変わってしまいます。塗料は使用する前に必ず混ぜ棒などでよくかきまぜてからお使いください。
- 水性のエマルション塗料の場合、乾くと樹脂の透明度がまし、生塗料の時より色が鮮やかに見える傾向があります、色を合わせる(調色)ときには乾かした塗料で判断してください。
- 素地によっては塗料の樹脂分だけが素地に吸い込まれて、顔料分が露出しやすくなり、色が違って見えることがあります。
- 塗料が乾燥するにしたがって、光の屈折率・反射率が変化し、違って見える場合もあります。
Q9 水性多用途塗料は万能ですか?
水性多用途塗料は、水性つやあり塗料のあとから開発されました。水性つやあり塗料の普及版といえます。
7分から半つや近くに抑えたつやに特徴があります。つやを抑えることで、適用範囲が拡がりました。
おおむね、「かび止め入り」で壁面に有効です。
また「さび止め剤入り」で鉄部にも直接塗れますが、一時的防錆の効果の範囲です。
耐久性を必要とする場合には、さび止め塗料を下塗りする必要があります。
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Q10 ハケは種類が多く迷います。どのように選んだらよいでしょうか?
用途や塗料の種類などによってお選びください。
補足
刷毛の種類
刷毛の種類 | 特徴 |
---|---|
油性バケ (油性塗料用) |
茶、黒などの腰の強い毛で塗料の含みがよくなっています。 |
水性バケ (水性塗料用) |
茶、白のやわらかな毛で塗料の含みが多くなっています。化織バケで使い勝手のよいものを選ぶのもよいです。 |
ニスバケ (ニス用) |
白いやわらかな毛が適しています。 |
最近では、製品に用途表示がされていて、わかりやすくなっています。
良いハケの見分け方
「毛の根じめがしっかりしている。」
「毛に光沢があり手ざわりがよい。」
「切れ毛、逆毛がなく弾力性がある。」
「毛先がそろっていて、使用しても毛先がよくまとまる。」
「塗料の含みがよい。」などがあげられます。
Q11 衣類に付着した塗料の落し方は?
簡単できれいに落とす方法はありません。塗料がついても支障のない服で作業することが大切です。
もし塗料が付着した場合は、衣類の種類に注意しながら次のように処置してください。
補足
塗料が付着してすぐの場合
水性塗料は水、油性塗料はペイントうすめ液、ラッカースプレーなどはラッカーうすめ液を、ボロ布などにしみこませ、その布で拭きとります。裏側にボロ布をあて、表面からタタクようにするとよいでしょう。その後、洗剤で水洗いをしてください。
付着した塗料が乾いている場合
塗料の種類にかかわらず、固い塗料をやわらかくするために、水性塗料はお湯に浸し、油性塗料はラッカーうすめ液に浸します。いずれも塗料が柔らかくなってから、もんだり爪先で削りとる、ブラシですりとるなどの方法で取ります。その後、洗剤で水洗いをしてください。
注意
ラッカーうすめ液を使うと、しみが残ったり、漂白効果で繊維の色がすこし落ちることがあります。衣類の種類には注意してください。